現役助産師に聞く!卒乳のはなし part1.

  現役助産師に聞く!「おっぱいの話」今回は卒園、入園シーズンに合わせて「卒乳のはなし」を菅野先生に伺いました。
卒乳の方法はそれぞれの方針や生活スタイルによって異なると思いますが、どのような形でもママも子どももハッピーな卒乳になるための秘訣を教えていただきました。
春の新生活にむけて是非参考にしてみてくださいね。

がんばったね〜!おっぱいバイバイと言える卒乳を目指して…

卒乳方法

卒乳の方法はさまざま。ぱっと思いつくだけで3パターンあります。

①自然卒乳

もうお兄ちゃん・お姉ちゃんになったから、おっぱい終わりにします…とお子さんから卒乳する形。
これは、1歳未満ではまず起こらないと言われています。

②断乳

1日に5〜8回ぐらい、普通に飲んでいたのに急にピタリと辞める卒乳方法
何かの理由があってやめなくてはならない時などはこちらの方法になります。

③徐々に分泌を減らしてからの卒乳

授乳回数を減らしていき母乳分泌を減らす事により、卒乳後の張りや痛みが少なくてすむ方法。
ただし、時間が必要となります。

ママも子どももハッピーな卒乳を目指して

卒乳を決めてから卒乳までにできる事
卒乳までに時間がある場合は、遊びなどで相手をしてあげ、気がついたら1回スキップしてたね〜という具合に授乳回数を1回減らして、その回数で1週間いけたら、もう1回減らして…と徐々に回数を減らし、1日2回ぐらいまで持っていきます。そこで、卒乳の相談をし卒乳に持っていけるといいですね。

卒乳を考えたら、まずお子さんと2人で話し合ってください。
何にも分からないのに話すの?と思う方もいらっしゃると思いますが、本当に何にも分からないでしょうか?

そろそろ卒乳しようとママが思っただけで、感づいてしまうお子さんが実は多いのです。
「何も話していないのに、前よりおっぱいの回数が増えたんです〜」と言う方もいます。やめたくない!が強い子は「ママがおっぱいやめようとしてる、そんなの嫌もっとちょうだい〜っ」となるのでしょうね。

お子さんにお話しする際は
・おっぱいにバイバイしようと思っているという事
・それはどうしてなのか(例えば、・大きくなったから・もうおっぱい飲ませてるのが体力的に辛い・夜しっかり寝てほしい…)
どんなことでもいいので、なるべく正直に話す方がわかってくれるように思います。

もちろん、お話しできない歳の子もいますし、何にも言ってくれないかもしれませんが、「今、分かり合えた!分かってくれた!」と思えば大丈夫です。
母乳育児は、ママだけのものでも、お子さんだけのものでもありません。ふたりでしていることを忘れないでくださいね。

私が産まれた時から関わらせていただいた女の子は、1歳半でママが卒乳を決意。お子さんに話したところ、ニッコリ笑って手を上げ「は〜い」とお返事。もちろんすぐに卒乳…するとそのあと1度も欲しがらないで卒乳出来ました。

私も、かなり前ですが娘が1歳2ヶ月の時、息子が1歳8ヶ月の時にしっかり話して卒乳しました。息子はおっぱい大好きだったので、おっぱいの代わりに寝るまでずっと手を繋いでるね、隣にずっといるよ〜と説得したのです。寝るまで手を繋いでいる約束は、6歳まで続きました。正直、自分のした約束が恨めしかったです(笑)

母乳がなくても、いつでもギュッて抱っこするよ!トントンするよ!絵本も読むよ!隣にいるよと安心させてあげるのは必要かもしれません。

卒乳したら、なるべく搾らない!
卒乳した時にどのくらいの量を飲んでいたかにもよりますが、張り・熱感・痛み・しこりが出てきます。
「搾ったら楽になるのに〜」と感じると思いますが、搾りません。搾った分作られちゃうからです。
クーリング(乳輪乳頭以外を冷やす)と圧抜き(乳輪を背中に向かって垂直に30〜60秒押さえる 2方向の手技で乳輪360°圧を抜きます)で凌げるといいのですが、どうしても辛い時は少し楽になるまで搾乳します。搾りすぎるとまた急に張ってきますし、母乳生成が続いてしまいます。【菅野先生直伝!圧抜きの仕方動画はコチラ

卒業後2日目の夜が張りと痛みのピークです。
その夜をどうにか超えると、少し楽になります。

3日目に痛みが取れるくらい(ゴリゴリしたシコリがふわりとするくらい)に搾るとよいので、助産師のマッサージを受けるといいでしょう。その後は、極力搾らないのは同じですが、急に楽になり抱っこしても痛くないぐらいになる方が多いです。

次の搾乳のタイミングは1週間後、ゴリゴリ感や痛みが無ければ搾らなくてもいいですし、自分でできそうもなければ助産師のケアを受けてください。(母乳が沢山出ている状態で卒乳した方は、分泌の具合によってはその後も1週間毎にケアした方が良いこともあります。)

よく、SNSで最後の1滴まで出し切ってやめると書いてあるようですが、搾れば作られるので最後の1滴は無いのです。

乳腺は、母乳生成を終了し妊娠前のような状態になるのに2ヶ月ほどの時間を有すると言われます。2ヶ月ほどは様々なバランスを崩しやすい時と思ってご自愛してお過ごしくださいね。

次回は4月から入園、復職などの理由で日中の授乳が難しくなる方へのアドバイスを公開いたします。楽しみにしていてください♪

今回お話を伺ったのは…

菅野紀代美様
助産師・看護師・中医薬膳営養指導士・ドライヘッドスパニスト
現在、産婦人科クリニックに勤務する傍ら、2016年〜産前産後ケア sagefemmeのスタッフとして勤務。2020年〜母乳ケアとドライヘッドスパをメインとした出張助産院くぅねを開業。元気な身体の基本は食事と睡眠をモットーに活動中。
女の子と男の子の出産・育児を経験し、自ら母乳育児を体験しあまりの楽しさに自他ともに認めるおっぱい星人となる。
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出張助産院 くぅね
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