鍼灸師に聞く!産後のトラブルに効く『ツボ』

子育てお悩みQ&A。今回は、不妊鍼灸専門院に以前勤めていて、現在は三鷹で美容鍼灸サロンを営む鍼灸師の鷲﨑先生に、【産後のトラブルに効くツボ】についてお話を伺いました。

産後のトラブルに効く『ツボ』

さまざまな妊娠中のマイナートラブルを乗り越えた末の、我が子との対面は心の満たされる幸せな瞬間。これからの生活に期待でいっぱいのママさんも多いはず。

一方で慣れない育児やホルモンバランスの急激な変化により、さまざまな産後トラブルにも見舞われ、精神的にも肉体的にも負荷がかかる産後のママのカラダ…

今日は産後のママさんにスポットを当てて自宅でも簡単にできるツボ押しケアについて、鍼灸師の目線でご紹介します!

産後のカラダは元の体に戻ろうとする為、おおよそ6週間から8週間かけてさまざまな変化が出てきます。
回復を早めるためにはしっかりと睡眠をとり無理をしすぎず安静に過ごすことは必要不可欠。
その上で簡単にできて体に負担も少ない産後トラブルに効くツボをご紹介します。

体のむくみ・足のだるさ

<陰陵泉>(読み:いんりょうせん)

足のリンパに沿って位置しているツボです。
うちくるぶしから骨のきわを膝の方へ滑らせてみましょう。
膝の近くで指の止まる少しへこんだところはありませんか?その位置が陰陵泉のツボになります。

指の腹でグーっと圧をかけて押してください!
陰陵泉は体の水分代謝の調整をしてくれるツボになります。産後は急激に水分が低下するため、危険を察知し水分を溜め込もうとするためむくみやすくなります。身体の水捌けを良くするためにツボ押しやお灸などで温めるのも有効です。

また胃腸機能の調整にもよく用いられるため、食欲がない時やお腹を下した時などにも効果的です。

<湧泉>(読み:ゆうせん)

足の裏、土踏まずの前方に位置しているツボです。
エネルギーが泉のように湧くという意味があり、疲労回復、足腰のだるさ、下半身の冷えなどの改善に適したツボです。

足がキンキンに冷えている場合は靴下用のホッカイロなどで足の裏全体を温めていただくのも良いかと思います。

乳汁分泌の低下

<膻中>(読み:だんちゅう)

左右の乳頭のラインの真ん中 胸骨の上に位置しているツボです。

膻中というツボは気の病によく効きます。東洋医学的な観点で見ると血液は気(エネルギー)から生じます。そのため精神的に不安定な状態で気が滞ることにより母乳のもととなる血液を作り出せず結果、乳汁が作り出せない。。となってしまうのです。

精神的なストレスにより気が滞って母乳の分泌が低下したものには膻中を刺激して滞りを取り払いましょう!
前屈みになり肩が内側に入ってしまうことも多いかと思います。肩を開いてたくさん空気を吸い込みことなども意識してみましょう。

<三陰交>(読み:さんいんこう)

婦人科系のお悩みはまずここを!というくらい有名なツボです。3つのルートが交わっていて、いずれも生殖器系へ辿り着きます。
母乳は血液から作られている為、血液不足になりやすい産後は特に三陰交への刺激が有効でしょう。指圧やお灸が有効です。お灸ができない場合にはシャワーを長めに当てたりドライヤーの温風を当てるのも◎

三陰交は生理不順、生理痛、更年期障害、冷え、むくみ、また妊娠後期の安産や逆子治療にも用いられる万能なツボになります
※妊娠初期に三陰交を使用することは禁止されています。指圧やお灸をする場合は安定期に入り体調が良い時にしましょう。
日頃から水分をこまめに摂り、肩を回したり脇を揉んだり血液の巡りをよくしておきましょう。
又、授乳や抱っこを通してスキンシップをすることでオキシトシンの分泌も高まります。母乳分泌にはオキシトシンというホルモンが大きく関わり、オキシトシンの分泌により乳腺を刺激し乳汁分泌を促します。

ストレス・不安感・情緒不安定

<合谷>(読み:ごうこく)

親指と人差し指の骨の交差するところの凹んだところに位置しているツボです。
合谷は自律神経の乱れを整えストレス緩和に有効です。また目や首肩へも繋がっているツボなので首肩こりや眼精疲労、頭痛の軽減にも◎
逆の手で挟み、じわーっといた気持ちい刺激で指圧してみましょう

<百会>(読み:ひゃくえい)

頭のてっぺん、ど真ん中。百(多種多様)のツボのルートが会う(交わる)という意味を持っていて、さまざまな症状に効果があるのですが、特に自律神経の働きを整え、ストレスや不眠にも役立つツボです。
押してみていたい方は自律神経の乱れのサインかも、、、頭上から真っ直ぐ身体の芯に抜けるように圧をかけましょう。

<内関>(読み:ないかん)

手首のシワから指3本分中央。内関は精神を落ち着かせてくれるツボです。自律神経を調整し穏やかな精神状態に導いてくれます。また、胃腸とも繋がっているため胃の不快感や妊娠時のつわりの軽減にもよく用いられています。
親指で優しくグーッと指圧してみましょう。

いかがでしたか?身体にはさまざまなお悩み解消に役立つツボが約700個存在しています。今日はその中でも選りすぐりのツボのご紹介でしたが、ぜひお役に立てると嬉しいです。
十分な産後ケアを行うためには専門家のサポートを借りることもとても大切です。
何かおかしいな…そんな時は無理に頑張らず、ご家族や周囲の専門機関に相談してくださいね。

今回お話を伺ったのは➢➢➢

鷲﨑 ゆりあ さん
・鍼灸師
・マタニティケアラー
・日本メディカル美容鍼協会認定鍼灸師
はじめまして!三鷹市で美容鍼灸サロンを運営している、鷲﨑ゆりあと申します
以前は不妊鍼灸専門院に勤めており、主に妊活中の方から妊娠中 産後までの方のサポートをして参りました。病気や怪我などを薬や手術などで治療を行う西洋医学に対し、東洋医学は病気や怪我の原因が何であるのかを突き止め、その原因の除去を目的として、鍼やお灸、生薬や漢方を用いるのが特徴で、根本の改善を目的としています。
現在は息子の子育てをしながら、自身のサロンにて美容鍼、ハーブピーリングなどの美容施術を中心に、産前産後のママさんや妊活中の方など、女性ならではのお悩み改善のサポートをしております。
より多くの方が鍼灸を身近に感じていただけたら嬉しいです。
【予約問い合わせ】
070−8381−8850
yuriannna96@gmail.com
https://www.instagram.com/yuriawashizaki/

 

 

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