臨床心理士に聞く!赤ちゃんを迎えるお兄ちゃんお姉ちゃんの心のケア

“上の子の心のケア”と聞いた時、皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか?

「上の子を優先するようにしよう」「抱っこをせがんできたら、できるだけ抱っこしてあげよう」「上の子と2人の時間を作るぞ」

そんな風に思う方が多い印象です。でも、いざ下のお子さんが生まれてみると…?

「抱っこをせがんできたから抱っこするようにしたけど、そうするとエンドレスで抱っこをせがまれる…」「2人の時間て、いつどんな風に作ればいいんだろう?」「上の子を優先すると下の子を泣かせてしまう時間がたくさんできてしまうけど、大丈夫かな…優先するって、何をどのくらい優先すればいいの?」

なかなか、生まれる前に思っていたようにはいきませんよね。想定通りにいかないことばかり。思うようにできなくて、それどころか自分もイライラしちゃったりして、自己嫌悪に陥ってしまっている方もいるかもしれません。でもそれはごくごく自然なことです。だって、お互いにとって初めての経験ですもの。スムーズにうまくいく方がびっくりです。でも、自分のためにも上の子のためにもなんとかしたい…どうするのがいいのでしょうか??

実は、答えはいたってシンプルです。“5分でも10分でも、無理のない範囲で上の子と向き合える時間を保証する”。以上です(笑)。

上の子は今まで、自分が1番!で過ごしていました。ところが下の子が生まれて、そうではなくなってしまった。「自分は変わらずちゃんと大切な存在だろうか?」上の子の心の中では、こんな不安が渦巻いているといえます。するとどうするでしょうか?自分がちゃんと大切な存在か、確認したくなりますよね。その気持ちが、いわゆる赤ちゃん返りと言われる行動や、何度も抱っこをせがんでくるような確認動作として出てきます。

しかし、それに全て応えることはできない。下の子もいるからです。応えられる時もあれば応えられない時もある。すると上の子は「抱っこしてくれたりしてくれなかったり…どっちなのー!不安―!!」となって、余計抱っこをせがむ…という悪循環が生まれてしまうのです。

その不安を払拭するためには、“この時間は確実に私(ぼく)のためだけのもの”と感じられる時間を作ることがとても有効です。そうすることで、「今は抱っこしてもらえないけど、後で2人の時間があるもんね♪」「あの時間は、ママ(パパ)は自分のことだけをみていてくれるんだ♪」という安心に繋がります。その積み重ねが、「自分はやっぱり大切な存在なんだ!」という確信に繋がっていきます。

上の子との時間の作り方

この2人の時間、いつ、どんなタイミングで作っても構いません。理想は1日1回、1日の終わりあたりに設定できると嬉しい(日中何があったとしても、終わりに心地良い時間があると「終わりよければ全てよし♪」になるからです笑)。名前なんか付けちゃうと、その時間のイメージが持ちやすくて超良いです。名前を付ける際は、ぜひ一緒に決めてくださいね。共同作業が嬉しいのと同時に、その時間に愛着が湧きやすくなります(私の知っている子では、ストレートに自分の名前を付けて“○○ちゃんタイム”とした子もいました笑)。

そして、時間ですが、“確実に毎日取れること”が大切なので、無理のない時間で。5分とかでも大丈夫。わざわざ作るのが難しい方は、日常生活の中の時間を使っても大丈夫(お風呂の時間を使う方もいましたよ)。何をするかも自由。何がしたいか一緒に考えてもいいと思います。

もし何も思いつかなければ、ぜひ寝かしつけの時間を使ってみてください。寝かしつけの時間に、ぜひお子さんのスベスベお肌をマッサージ。お子さんに「どこをマッサージする?」と聞いてみてもいいです。マッサージ自体が安心できる作用があることに加え、自分の好きなところをマッサージしてもらえることで自分を大切にしてもらえている感覚も味わえます。そして、もしママ(パパ)がマッサージすることに集中できるとしたら、ママ(パパ)自身の癒やし効果もとても高いと言われています。そして安心できることで寝入りも早く、眠りが深くなると言われているので、いいことばっかり!

それでもうまくいかない。どうしたらいいか分からない。…そんな困った時は、専門家に相談するのが1番です!保健センターの保健師さんでもいいし、もちろん心理士でも!心理士というと敬遠されがちなんだけど、結構皆さん上の子のことについて相談してくれています。他にも、トイトレや卒乳など、わりと何でも気軽に相談する方多いので、よかったお住まいの自治体に問い合わせてみたりしてくださいね♪

1番大切なのは一人で抱え込まないこと。相談することで、ママ(パパ)も大切にしてもらえる体験ができると思います。それも大切。自分を大切にできていなかったら、他者(もちろん子どもも含まれますよ)を大切にするなんてできない。自分のためにも子どものためにも、抱え込まないでくださいね。

今回お話を伺ったのは・・・

林慧子(ハヤシケイコ)さん

 

 

臨床心理士・公認心理師。
2歳と7歳の子を持つ二児の母。

出産前は、小学校計3校のスクールカウンセラーと、障害をお持ちの就学前のお子さんが通う療育施設にて5年ほど勤務。出産を機に退職し、現在まで複数の自治体の保健センターにて、乳幼児健診、個別育児相談、親子グループ、親支援グループなどを担当。また、児童館にて育児に関する親子講座や多胎児育児をしている親御さん向けの講話を年数回実施している。

大切にしている言葉は「十人十色」。

 

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はじめまして!soulage.hkの林慧子と申します。

私自身は、このような専門職でありながらいつも育児にヒーヒー言っています。実は私が担当する育児相談や育児講座で密かに人気なのが、私と7歳長男のドタバタ劇(事例)の話。その話を聞いた後、なぜかみんなホッとした顔で帰って行かれるのですが、私たち親子ってそんなにすごいかしら…と思う日々…。確かに、この写真からは想像もつかない顔になっている時が多々ありますが…(^^;(笑)まぁ、皆さんが笑顔になれる(気持ちが楽になる)ならいっか!と思っています(^^)v

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