絵本読み聞かせ講師に聞く!「読み聞かせQ&A」part1

子どもに読み聞かせをしてあげたい!でも分からないことだらけ…という方に向け、「みたか・子どもと絵本プロジェクトおななしのたね」代表であり絵本読み聞かせ講座の講師も担当しているAYAKO先生に毎月様々な疑問にお答えいただいています。

今月はこれまでの「読み聞かせQ&A」をまとめて特集します。
雨でお家時間が長くなる梅雨の季節。皆さんとお子さんが読み聞かせを通してより絆を深めてもらえたら嬉しいです。

読み聞かせQ&A 特集

Q.「絵本の読み聞かせをするといい」とよく聞きますが、具体的にどんな効果がありますか?

A.読み聞かせの効果を紹介します。

 確かに、忙しい中せっかく時間を割いて読み聞かせをするなら、その先の効果を知りたいと思うときありますよね。
絵本の読み聞かせは、何かの効果を期待してするのではなく純粋に楽しむものであってほしいと思いますが、せっかくなので少しご紹介します。
1.親子コミュニケーション
親子で一緒に絵本の世界を共有し、ワクワク・ドキドキ・嬉しい・悲しい等、心の動きを共感することで絆が深まります。また、パパやママの膝に乗せて読み聞かせてあげることで、スキンシップを図ることができ心の安定につながります。
2.人の話に耳を傾ける力
集中して物語を聞く習慣ができると、自然と人の話もよく聞くようになります。人の話をよく聞くようになると、日常の親子関係も驚くほどスムーズになります。さらに小学校へ進学したとき大きくその効果を発揮します。
先生の話をよく聞き、授業に集中できることはもちろん、相手の言葉の本質を読み取る力が備わるのでお友だちとの関係性にも大きく影響してきます。はじめのうちは読み聞かせをしてもなかなか集中して聞いてくれないのであきらめてしまう方も多いのですが、子どもが興味を持つような本を選んで少し根気強く続けると次第に集中して聞けるようになります。
3.想像力
絵本の世界では、一瞬で森へ行ったり海へ行ったり他国で冒険したり、宇宙へも行けます。動物とおしゃべりをしたりお友だちになることだってできるのです。現実ではできないことを絵本の中で経験することで、さまざまなイメージを作り想像力や発想力、知的好奇心を高めてくれます。
絵本の世界に入れる子は、やがて訪れる思春期にも本が強い味方になってくれます。
4.その他
文字・数・物の名前・読書の習慣・文章の理解力・・・数え上げたらきりがありません。すべての子どもにすべての効果が出るわけではなくその子の個性によって表れる効果は違いますが、読み聞かせの効果はいいことばかり。しかも誰でも手軽にできます。ですが、やはり「絵本の読み聞かせは、何かの効果を期待してするのではなく純粋に楽しむものであってほしい」と思います。親子で楽しく絵本を読んだその先に、なにか「ちょっといいこと」がある、というくらいの方が絵本を純粋に楽しめるのではないでしょうか。

Q.なかなか毎日は読み聞かせできません

A.よみきかせは「毎日する」以上に「楽しむこと」が大切です

よみきかせを毎日した方がいい。もちろんそうかもしれません。
でも「読まなくちゃ」「聞かせなくちゃ」と思ったとたん、絵本は義務になってしまって楽しくないですよね。
よみきかせで大切なのは、読む人も聞く人も絵本を楽しむこと。
絵本を通してわくわくしたり、ほっとしたり、時には悲しくなったり、そんな気持ちを共有するには、読み聞かせが「義務」ではなく「楽しみ」であることが大切です。
よみきかせを毎日するのが大変なら、週末時間がある時だけでもいいし、気が向いた時だけでもいいと思います。
「読みたい」と思った時にすぐに読める場所に絵本を置いておけば、好機をのがすこともありません。
それでも「毎日頑張ってみたい」と思う人は、こんな方法はいかがでしょうか?
・1日1冊から挑戦
・読む時間を決める
・パパ・ママ・祖父母など交代制にする
・お決まりの本をつくる(必ず毎日読む本など簡単なものがおすすめ)
最初はハードルを高くせずに、できることから少しづつやってみましょう。

 

Q.絵本を読んでいる途中に話しかけられることがあります。お話を中断して返事をしていいのか、それとも読み進めた方がいいのか迷います。

A.絵本の内容に関わることなら中断して答えてもOK

読んでいる途中で話しかけられると、そこでお話が止まってしまうので中断していいか、最後まで聞かせた方がいいか迷いますよね。でも、絵本の内容や言葉・絵に反応して話しかけているなら、絵本に集中している証拠。
読むのを中断して答えてあげていいでしょう。「本当だ!よく気づいたね!」「よくおはなしを聞いているね」「そうだね、それってどうしてだろうね」「なんだかわくわくするね」などポジティブな言葉で返してあげましょう。
絵本を通したコミュニケーションがとれ、ますます読み聞かせの時間が楽しくなります。一方で、絵本とは関係ない話題の場合はあまり集中しておはなしを聞けていないかもしれません。
「最後までおはなしを読んでから話そうか」とか「いったん休憩しようか」など、臨機応変に対応してあげるといいと思います。小さいうちは、無理をして読み進めるより、絵本の世界を楽しむことを優先してあげてください。

Q.読み聞かせをしようと絵本を見せても全く興味を持ってくれません。何か気を引くいい方法はありますか?

A.読み聞かせをする前に、その絵本の内容に関するもので遊んでみるのはいかがでしょうか。

いざ読み聞かせをしようと思ってわが子を膝に乗せ絵本を構えても、なかなか関心を示してくれないことはよくあります。
特に、まだ読み聞かせの習慣がついていない場合、そのような反応をする子がほとんどです。絵本の楽しさをまだ知らない子にとっては、いつもの遊びの方が楽しくて当然なんですね。
そんなときは、歌や手遊びから入るのはいかがでしょうか。例えば「大型バスに乗ってます♪」とお膝の上で遊んだ後に「バスごっこ」の絵本を読む。「げんこつやまの たぬきさん♪」と歌いながら手遊びを楽しんだ後に「この本に出てくるたぬきさんも同じとこしてるよ」といって絵本を読む。朝、目の前でホットケーキを焼き、食べた後に「しろくまちゃんのほっとけーき」を読む。などなど。
先に実体験をして、その直後に関連する絵本を読むのです。ポイントは「直後」。そのうち「直後」でなくても、記憶を辿って経験と絵本の内容を紐づけて楽しむことができるようになります。
そして読み聞かせが習慣になったら、次は絵本から経験につなげたり、空想の世界へ入り込む番です。こうなれば、絵本好きになるまでにそう長く時間はかかりません。

Q.読み聞かせの時は感情を込めて読んだ方がいいですか?それとも淡々と読んだ方がいいですか?

A.1~2歳くらいまでの子どもには、少しおおげさに3歳くらいからは淡々と語るように読み聞かせをすると良いです。

1~2歳くらいまでの子どもには、少しおおげさに声色を使ったり抑揚をつけて読んであげるといいでしょう。
動物の鳴き声を真似したり、食べ物を絵から取り出してお口に入れてあげるしぐさをするなどコミュニケーションをとると、ますます絵本に集中してくれます。絵やおはなしに反応して指をさしたりしゃべりだしたら、受け止めて聞いてあげたりお返事をしてあげましょう。
3歳くらいからは絵本を通して自分なりにイメージを持つことができるようになります。そのため、大げさな読み方や抑揚はかえって邪魔になってしまうことがあります。淡々と語るように読み聞かせるスタイルへ徐々に変えていくと、自分で絵本の世界に入っていく力が育ちます。

Q. 年齢にあった絵本の選び方を教えてください。

A. 年齢はあまりきにせず、お子さんが気に入った絵本を読んであげてください。

特に3歳以降は、「まだこれは早いかな?」とか「もうこんなあかちゃんみたいな絵本はやめたほうがいいかな」ということはあまり気にしなくていいと思います。親子で楽しく読めることが大切です。
0~2歳くらいは以下を参考にして選んでみてください。
【0歳】
はっきりした色と形の絵で、リズミカルで響きの良い言葉や繰り返しも大好きです。
【1歳】
食べ物、動物、のりもの、生活など身近な「もの」や「できごと」をえがいている絵本を喜びます。
【2歳】
単純な繰り返しから、ストーリーのある絵本も楽しめるようになります。いろいろな本に触れているうちに、きっとお気に入りが見つかると思います。

 

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