【三鷹の森ジブリ美術館】の魅力 大解剖!

日本を代表する映画作品を数多く配給するスタジオジブリ。
その世界を体験できる「三鷹の森ジブリ美術館」が三鷹市にオープンしてから、早24年。
三鷹市近隣にお住いの方は一度は足を運んだことがあるかと思いますが、改めてその魅力を大解剖します!

お馴染みの出迎えてくれるトトロ、夢にまで見たネコバスに乗れるお部屋、守り神としてそびえたつロボット兵。
広く知られた魅力はもちろん!それだけではない美術館に込められた様々な想い、魅力も取材させて頂きました。
この不思議であたたかな空間で子どもの成長を育み、家族の思い出が刻まれることを祈っています。

こどもの“はじめて”が生まれる場

映画デビュー

映像展示室「土星座」は定員約80名の小さな映画館。オリジナル短編アニメーションが上映されていて、1人1回鑑賞する事が出来ます。
音や光が柔らかで上映時間も15分前後と小さなお子さんでも怖がらず、集中して楽しんでいただけるので映画デビューに最適です!背もたれ部分にも座れる小さめの赤いベンチシート、月と太陽がほほ笑む天井絵、立派な映写室。そのすべてが映画鑑賞という特別感を演出してくれているように感じます。

ママと離れての遊び場デビュー

皆が大好きな「となりのトトロ」に出てくる大きくふわふわのネコバスで遊べる、ネコバスルーム。
ネコバスに乗れるのは小学生以下なので、ママ・パパは一緒にお部屋に入れません。
いつもはママ・パパにべったりのお子さんも1人で並んで、お約束を聞いて、ネコバスルームに入ります。
もちろんすぐ近くで見守れるのですが、待っているときの緊張とワクワクが混ざった表情。そしてネコバスやマックロクロスケに触れることが出来た時のはじける笑顔に子どもの成長を感じることと思います。

螺旋階段デビュー

ジブリ美術館には2つの螺旋階段があります。1つは光が差し込む中央ホールから2階の図書室やネコバスルームがある階へ続く階段。もう1つは、ネコバスルーム脇からロボット兵がいる屋上へと続く階段です。
エレベーターやエスカレーターに慣れている現代っ子もここに来ると我先にと螺旋階段を昇っていきます。ぐるぐると視点の切り替わる中で、ふと下を見るとその高さに急に怖くなって引き返そうとする子や、慌ててママを呼ぶ子。でも頑張って昇りきった先にはワクワクの世界が待っています。美しく不思議の世界へ誘う螺旋階段にぜひ出会わせてあげてください。

井戸デビュー

美術館とカフェの間にある中庭(パティオ)は丁寧にメンテナンスされた花々に囲まれた居心地の良い空間です。中央のガゼボにはポンプ式の井戸があります。ジブリ映画にも出てくるように一生懸命に漕ぐと本当に地下水をくみ上げることが出来ます。ジブリ美術館を訪れた際はぜひ井戸漕ぎ体験も♪

迷子デビュー!?

ジブリ美術館の構造は少し複雑でまるで迷路のようです。順路もなく自由に赴くままに行動でき、小さなトンネルや階段・橋など冒険心をくすぐるアイテムがそこかしこに散らばっています。ついつい夢中になってママ・パパとはぐれて1人になる事もあるかもしれません。でも、ジブリ美術館の出口は1つで必ずスタッフの方がいますし、至る場所でスタッフが見守ってくれているので安心です。「迷子になろうよ、いっしょに。」という美術館のキャッチコピーどおり、思いっきり夢中で過ごさせてあげたいですね。

好奇心・冒険心・感性を育てる場

体験型の展示作品

ジブリ美術館の展示は、受動的なものではなく実際に見て・聞いて・触って体験する能動的なものがとても多いです。地下1階の「動きはじめの部屋」や1階の「映画の生まれる場所」ではアニメーションの成り立ち、構造を色々な角度から体感することが出来ます。
正解や完成を見せるのではなく、過程をみせることで、どうしてこうなるんだろう?とうい好奇心を芽生えさせる展示なので子どもの成長・理解度に合わせて何度も体験する価値のある場だと感じます。

図書閲覧室「トライホークス」

2階の図書閲覧室「トライホークス」では、宮﨑駿監督やジブリ美術館のおすすめの児童書や絵本、土星座で上映されている映画のパンフレットを手に取って読むことが出来ます。時々読み聞かせの時間もあるそうで、本を読んでみたい!という気持ちを育める場となっています。

冒険心をくすぐる構造

ジブリ美術館は扉を開けた瞬間、不思議の世界へと誘われ、螺旋階段、橋、トンネル、ものかげが子どもの冒険心をくすぐります。又、子どもにも立派なフィルム型のチケットが渡され1人前の人間として扱ってもらえます。この建物や対応のコンセプトには宮﨑駿監督の「子どもも1人前に扱い、好きなように感じ楽しみ、色々な発見をして、出るときにはちょっと心がゆたかになってしまう美術館であってほしい」という想いが込められているそうです。
いつもは先回りをして誘導してしまうところも、美術館にいる間はちょっとひいて子どもの冒険心・自立心を育ててみてはどうでしょうか?

美術館すべてがアート作品

館内には、ステンドグラスや天井絵、モザイクタイルなど見渡す限りアートが広がり、降り注ぐ光や風と共にその場にいるだけで感性が磨かれそうな空間です。その中でも驚くべきはトイレ。他に類を見ない程素敵なトイレですが個室の壁紙は1室ごとに違うそうです。「トイレの壁紙がこどもの触れるはじめてのアート作品かもしれない」という宮﨑駿監督のこだわりが反映されているそうです。海外から称賛される日本のトイレ文化ですが、その中でも1,2を争うトイレなのではないかと思います!

小さな子どもにも、ハンディキャップのある方にも優しい場

エレベーターは2機

階段のことばかり触れてしまいましたが、エントランスから中央ホールの地下1階までは段差解消機を利用頂け、地下1階から各階へ繋がる2機あります。ベビーカーはベビーカー置き場に置いてまわって頂く形ですが、車椅子の方はそのままおまわりいただけます。(車椅子の貸し出しもあり)

授乳室・おむつ替え台あり

おむつ替えスペース・ベビーキープは男子トイレ・女子トイレ共に完備されており、授乳の際はスタッフに声をかけてもらえたら授乳スペースを案内してくれるそうです。今でこそ常識になりましたが、24年前から男子トイレにもおむつ替え・ベビーキープを設置しているのはさすがですね。

カフェ「麦わらぼうし」で軽食を

カフェの前のデッキスペースでは、「麦わらぼうし」で購入したものや、持ち込んだお弁当も飲食可能だそうです。離乳食のお子さんやアレルギーのあるお子さん連れにはとても助かりますよね。もちろんカフェ「麦わらぼうし」の食事メニューもとてもクオリティーが高く美味しいものばかりなのでおススメです。

受付や手洗い場には踏み台

美術館の入場受付やカフェの手洗い場には小さなお子さんでも届くように踏み台があります。お子さんの自分でやってみたいを温かくサポートしてくれる心づかいが随所に感じられます。

三鷹市民であることが嬉しくなる場

三鷹の森ジブリ美術館のチケット(ローチケ一般発売)は日時指定の完全予約制となっていて、毎月10日の10時~、翌月1カ月分が販売されます。
ローチケwebサイト

三鷹市および近隣市民枠

ローチケ一般発売のほか、地域のかたにより親しんでもらえるようにと三鷹市・近隣市(武蔵野市・小金井市・西東京市・調布市・府中市)に在住、在勤、在学のかた向けの枠が設けられており、一般販売とは別に、チケットを購入することができます。三鷹の森ジブリ美術館へ入場するご本人が身分証明書をご持参の上、三鷹駅南口のみたか観光案内所でご購入ください。
みたか都市観光協会

ローチケが売り切れていても、市民枠は購入できる場合があります。三鷹市周辺に住んでいる特権ですね♪

土・日限定の屋台に出会えるかも?

不定期ではありますが、土曜・日曜・祝日限定で三鷹の森ジブリ美術館のカフェデッキに出る屋台では、ドングリカステラや一部のグッズ(数量限定)が販売されています。美術館のチケットが無くても購入することができるふわふわとしたカステラは、大人も子どもも大好きな味わいです。
井の頭恩賜公園に遊びに行った際は是非のぞいてみて下さい。


今回は、子どもの目線に立って魅力を掘り下げましたが、もちろん大人にとっても童心にもどって心から楽しめる場です。実はジブリ美術館は2001年公開の「千と千尋の神隠し」とほぼ同じ時期に構想されいてそうで、色々な箇所に通ずる世界観があるそうです。ジブリ作品に精通している人は細部にわたってこだわりのある美術品や仕掛けを再発見してみてはどうでしょうか?
親子で宮﨑駿監督からの素敵な贈り物を受け取ってもらえたら嬉しいです。

三鷹の森ジブリ美術館 GHIBLI MUSEUM, MITAKA
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1丁目1-83
(都立井の頭恩賜公園西園内)
[アクセス]
三鷹の森ジブリ美術館は、JR三鷹駅南口から玉川上水
沿いをゆっくり歩いて約15分です。
玉川上水沿いには、美術館の方向を指し示す案内看板が
あります。
また、三鷹駅南口からコミュニティバスを利用すると
約5分です。
三鷹駅へは、新宿駅からJR中央線の快速で20分です。
[URL]三鷹の森ジブリ美術館

© Museo d’Arte Ghibli

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