育児中のイライラ、どうしてる? みんなの「アンガーマネジメント」

なんだかイライラする。今日も子どもに怒ってしまった。そう考えて自己嫌悪になったり、モヤモヤしていませんか。
今回は、ちょっと先輩のママたちに、育児中に感じたイライラ・怒りと、どのように対処したかインタビューし、ママたちの「アンガーマネジメント」について考えてみます。

「アンガーマネジメント」とは

「アンガーマネジメント」は、怒りの感情とうまく付き合う方法のことです。

①「衝動」のコントロール…瞬発的に怒りを言動で表さず、信頼関係を保つ。
②「思考」のコントロール…自分の思考を理解し、怒りの原因を知る。
③「行動」のコントロール…怒りを整理し、どのように行動するか決める。

具体的には、
・怒りの感情がわいたら6秒待つ。
・怒りの原因から離れる。
・物事を新しい視点や枠組みで解釈しなおす(リフレーミング)。
・○○すべきという自分の固定観念を再考してみる。
・自分の許せるラインを考える。
・重要度によって、関わりや行動を変える。
・自分で変えられるかどうかによって、関わりや行動を変える。
などの手法があります。

いろいろなシーンで役立つアンガーマネジメント。育児中の事例などもインターネットで見つかります。
興味があれば検索してみてくださいね。

どんなイライラがありましたか? ママたちのリアルな声

乳児期~離乳食期

・寝てほしい時に寝てくれない、すぐに起きる。パパもがんばってくれたけど、どうしても私のほうが夜泣きの対応をしたり、こまごまとしたことに気が付いてお世話したりと、負担が多くてイライラした。
・混合栄養で、母乳の出が十分でなかったり、乳腺炎になったりしたことに落ち込んだ。母乳への考え方は人それぞれで、善意からのアドバイスであるとわかっていても、傷つくことがあった。
・黄昏泣きがつらかった。子どもは泣くもの、ママに甘えたいものと思っていたけれど、家事もやらなくてはと焦る気持ちがあって、余裕がなかった。
・きれい好きなので、つかみ食べの時期は汚れるのが本当に嫌だった。

歩き始めたころ~3歳ごろ

・一番しんどかったのは、後追いがひどかった時期。1歳~2歳前ぐらい。お風呂もトイレも一緒。パパじゃダメ。トイレで用を足すその短い時間ですら一人になりたいのになれないってことが本当につらかった。私は子どもに怒っちゃいけないものだと思っていて、ずっと我慢していた。
・歩き始めてからはベビーカーに全く乗らなくなって、歩きまわる活動的な子だった。とにかく公園から帰りたがらない。それに付き合う私の体力・気力がもたない。イヤイヤ期~幼稚園入園するまでの期間がとくにつらかった。

3歳ごろ~小学校入学前

・もともと完璧主義なところがあって、スケジュールを立てて、その通りに動きたい。子どもと向き合う時は、ちゃんと子どもに集中したい。でも育児も家事もなかなか思い通りにいかない。自分でも驚くぐらい、怒って声を荒らげたことがあった。頭ではわかっているつもりでも、自分が体感してみてわかった、初めて味わった感情だった。
・うちの子はお友達に活発に働きかけるタイプ。でも、そういうのが苦手な子もいるから、申し訳なくて。人との距離感や公共の場での行動について何度も説明するけど、言うことを聞かなくてそのたびにイライラ。

小学生になってから

・片づけをしてくれない。小さいうちは自分で片付けられないものと思って気にならなかったんだけど、子どもが片付けできる年齢になったのにしてくれないままなのが、気になってきた。叱ってもスルーされてしまう。小さいうちから習慣づけしておけばよかったと後悔している。
・動画を見るルールを子どもに守ってほしい。叱っても言うことをなかなか聞かない。こうしたら解決するという方法がなくてイライラしてる。

ママたちの具体的な対策

「行動」を変えてイライラ回避!

・黄昏れ泣きでイライラしないように、夕方にやるタスクを減らした。休日に作り置きをしておく、ミールキットを使う、洗濯物はたたまないなど。ママに甘えたい子どもの気持ちを受け止められるように。
・つかみ食べの時期は、新聞紙を敷いて、裸にオムツで思う存分汚しても大丈夫なようにした。
・体力がなくなると怒りっぽくなるので、体力をつけようと思った。睡眠の質を上げたくて、スマホはナイトモード設定にして、お酒を飲まなかった。筋トレをしたり、栄養を摂るようにした。
・毎日5回だけでもスクワットするぞと決めて、すき間時間にやった。ちょっとした運動でもやった後明るい気分になって、自分のたてた目標を達成できた喜びもある。最初はハードル低くから始めるといい。
・SNSはキラキラしたママばかりに見えたので、スマホを必要以上に使わないようにした。
・読書が趣味で、育児中はなかなか長編は読めないから、詩集を読んでいた。軽くて薄い文庫本をママバッグに入れていた。
・編み物。ひたすらに編んで、没頭するとすっきりする。編み物じゃなくても、手を動かす作業はいいと思う。
・海外ドラマを見た。英語を聴いていると、現実をちょっと離れられて落ち着いた。
・休日の外遊びはパパにお願いした。パパはどうしても子どもに合わせてというより自分のペース優先しがちだけど、「大人のペースがある」ことがだんだん分かるようになるのも、子どもにとってはよいことかもしれない。
・子どもがぐずると大人もイライラしてしまうから、子どもの「眠さ」「空腹」の対策をした。
・外出することがストレスになっていると感じたときは、家の中で子どもが思いきり遊べるようにトランポリンや滑り台を用意した。
・イライラしたらその場を離れる。階下に下りたり、家を空けられる状況ならコンビニに一人で行ったり。
・枕に「ワー!」と叫んですっきり。

「思考」を見直してみたら楽になった!

・完璧主義もほどほどに、「適当ぐらいでいい」と言い聞かせて育児するようになった。
・自分も一緒になって面白がった方が楽なんだと、下の子のときになって思うようになった。
・「不安のほとんどは妄想です」「その心配、誰の心配?」と言われてハッとした。子どもの将来を考えて不安に思ったり心配しているのは私自身。その不安や心配からきている自分の思い通りにしたいという思いより、子どもの今に寄り添ってあげようと思った。
・相談してもピンとくるアドバイスばかりではない。ママもそれぞれ、子どももそれぞれだから仕方ないって客観的に考えるようにしたら、正解を早急に求める気持ちがおさまって、気長に子どもに向き合う気持ちになれた。
・双子だから標準より小さかったりするのは仕方ないことなのに、どうしても自分を責めてしまっていた。できないことは、「今は」できない、と考えるようにしたら気が楽になった。
・ヘルパーさんの何気ない言葉に救われた。子どものことを「本当にかわいいわね」と言ってもらえて、私には「大丈夫よ」と優しく言ってもらって、自分も本当にそう思えるようになった。
・子どもにイライラしてしまう自分に自己嫌悪を感じていた時に、助産師さんに「怒っても良いのよ。ママも人間だから。只、怒りすぎちゃったときは後でちゃんと謝ってね。」と言われ、すごく心が軽くなりました。

怒りに隠れた本当の気持ちを大切に

怒りは二次感情

心理学では「怒りは二次感情」と言われています。
一次感情として、不安・恐怖・悲しみ・さみしさなどがあり、それが怒りという二次感情として表れていると考えられています。
ですから、その奥にある感情は何かということに目を向けてみましょう。
・子どもの将来が不安
・夫が育児に協力してくれないのが悲しい
・よい相談相手がいなくてさみしい
など、その一次感情を感じ取り、対処することが怒りのマネジメントにもつながります。

怒りから自分の譲れない価値観を知る

「男子3人の育児をしているけれど、それだけで大変ねー。と同情の声をかけられるのが嫌でした。」というママがいました。逆に大変な状況だったとしても「楽しそうでいいね!男の子たち頼もしいね!」といポジティブな声掛けには励まされたと言います。相手は悪気があって言っているわけでなく、むしろがんばっているママの気持ちに寄り添う意味で言っていたのかもしれません。ただ、その方自身固定観念だけで、自分自身や子供たちを評価する言葉には傷付くことが多かったことから、子もママも1人1人違うので固定概念でモノをいうのはやめよう。不満や同情のマイナスの言葉を発するのではなく、なるべく良いところを見つけポジティブな声をかけるように心がけようと強く思ったそうです。
怒りは、自分の大事にしている価値観や本質、育児に対しての考え方を深く知る機会になるのかもしれません。

子どもの成長に喜んだり、子どもを思うがゆえに怒ってしまったり…。
ママを取り巻く環境もそれぞれで、周囲の何気ない一言が気になって不安になってしまったり…。
子育て中は感情が揺れ動く時期で、それだけママ自身も一所懸命だということだと思います。
私たちが出会ってきたママたちも、何とか自分なりの答えを探そうとしていることが分かりました。
子育てに正解というものはありませんが、今日ご紹介したママたちの声が、子育てのヒントになったら幸いです。
withbabyはみなさんに寄り添う存在でありたいと思っています。


妊娠期に配布される三鷹市「子育てガイド」には助産師さんたちの知恵や経験を集約した「子育てがうまくいかないと感じたら」というページがあります。とても為になる内容なので引用させて頂きました。是非ご参照ください。
⇩⇩⇩

子育てがうまくいかないと感じたら(『三鷹市子育てガイド2024』p.62~63より)

「子どもが思うとおりに動いてくれない」 「言うことを聞いてくれない」

1. 子どもの成長・発達を見極めましょう
子どもの成長・発達の状況によって、できることとできないことがあります。また、大人 に言われていることの意味が理解できないこともあります。保護者の思いが、子どもの 成長・発達に適しているかを見直してみましょう。

2. 子どもの気持ちに耳を傾けましょう
子どもが困った行動をする場合、子ども自身も困っており、子どもなりの理由があるか もしれません。問いかけをしながら、どうしたらいいか一緒に考えてみましょう。気持ち を受け止めてもらうことで、安心し、行動も落ち着きます。

3.子どもにして欲しいことは、わかりやすく伝え、身の回りの環境を整えてみましょう
子どもには落ち着いた声で何をすべきか具体的に伝えましょう。また、環境を整えると 子どもが自分でできるようになり、叱らないですむことが増えます。

4. 良いこと、できていることを褒め、子どものやる気に働きかけましょう
子どものよい行動を褒めることは自己肯定感を育みます。今、できていることに注目し て褒めたり、頑張りを認めることも大切です。子どもが好きなことや楽しく取り組める ことから始め、やる気が増す方法を考えてみましょう。

5. 保護者の方がご自身の状態を知っておくことも大切です
保護者の方が、体調不良・忙しさ・孤独感・経済問題・夫婦関係の問題などを抱えていると、そ のストレスが子どもに向かってしまうことがあります。少しでも問題が解決に向かうよう、周囲 の人に相談してみましょう。子育てを支援するサービスを利用することも手段のひとつです。

たたいたり・怒鳴って子育てすると・・・

たたいたり怒鳴ったりすることで言うことを聞かせたとしても、恐怖心などによって行動したものであり自分で考えて行動したわけではなく、再び同じような問題が生じます。心身の発達などに悪影響を及ぼすため、体罰等は法律で禁止されています。

子育てがうまくいかないと感じたら、保護者だけで抱え込まず、ぜひご相談ください。 子どもと保護者の方に寄り添い、どうしたらよいかを一緒に考え支援していきます。

【お問い合わせ先】
●子ども家庭支援センター りぼん TEL 0422-40-5925
●児童相談所虐待対応ダイヤル「189」(いちはやく) TEL 189(通話料無料・訪問及び土日祝も対応)
●杉並児童相談所 TEL 03-5370-6001(土日・祝日を除く)
●子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京(LINEで検索、友達追加してご参加いただけます。)
みたかきっずナビ(アプリ)からのご相談も可能です。

子育てや発達について心配なことがあったらご相談ください

子育ての不安は、どこの家庭でも少なからず感じていることです。
不安や悩みを抱え込むより、まず相談してみましょう!
「うちの子は落ち着きがなくて、先生の話が聞けるようになるのか心配だわ」
「同年代の子どもと比べてうちの子は言葉が遅い気がする」
「友だちとうまく遊べないみたい」
心配だけど、いったいどこに相談したらよいのかしら・・・。
そんな時に相談できるのが「子ども発達支援センター」です。
子どもの健康や発達について、保育士・保健師等、専門の相談員による相談を行っています。
まずはお気軽にご相談ください。
幼稚園・保育園に通いながら継続的に相談される家庭も多いです。

子育てや発達に関する総合相談窓口です。全ての子育て家庭が生き生きと安心して生活できるよう、地域子育て支援の拠点として、さまざまな事業をおこなっています。

【お問い合わせ先】
●子ども発達支援センター
開館時間 平日9:00~17:00
TEL 0422-45-1122

くるみ幼児園(児童発達支援事業)

対象児:発達に課題、又は障がいのある2歳から就学前までのお子さん
利用定員:32人
利用日時:9:15~14:00(月~金まで週5日間)
内容:発達に課題や障がいのあるお子さんの通園施設です。地域での生活に必要な力を育てるため、発達課題に応じたグループ編成のもと、集団での生活を基盤にお子さんひとりひとりの発達支援を行います。また家族への支援や地域への支援も行っています。

【お問い合わせ先】
●子ども発達支援センター
開館時間 平日9:00~17:00
TEL 0422-45-1122

 

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